戯れお題





恋にゃ下心があるそうな
愛の心は後から来るそうな
恋愛とも成りますと・・・
推して知るべしですかな?

つらつら考えますに
男と女は苦労しますなぁ



恋文

小生
一度も書いたことが御座いませんわい
冥土の土産に一度くらいは・・・
と、考えもしましたが
老いぼれの身の上ですからして
生身のお方にゃ無理でしょうなぁ

ここは一つ棺桶さんに
熱い熱い恋文を
したためて置きますかな



五位(位階)

鳥や木までもがお持ちですが
小生にゃ とんと縁が御座いませんな

ま、余分なモノを持たないお陰で
浮生に溺れること無く
気ままに流れて行けますわい



故山

貫之と
我を呼ぶかや
妹背の山は
おお西吹き荒ぶ
怒涛の中で



おお西」 とは北西の季節風です。
海上を大時化にして
故郷の島を孤立させます。




航海士

羅針盤もあるのに
六分儀もあるのに
海図だって
ほら
ここに広げられているのに・・・

女神の
甘い囁きに酔う我は
夢うつつの海を
彷徨わん



紅唇(こうしん)

庚申(こうしん)の夜は
紅唇に離れ
肴酒を遠ざけ
天地万物の気
変わり行くを眺めて候



紅顔

生きている化石と言われて
久しゅう御座いますが
小生にも
紅顔の時代は在ったのですぞ

・・・世界不思議の
八番目に数えられますかな?



木練柿(こねりがき)

手を伸ばし
一つ食べたや
木練柿

糖尿持ちの
自覚を落とし



熟して尚 木に留まる木練柿
糖尿患者の肩書き(?)を捨ててでも
食べたい・・・そんな心情を詠んでみました。
それ程に 木練柿は甘いのです。



こぬか雨

ん?
この程度の雨なら
楽勝で行きまっせ
恋はんに逢えるなら
雷雨も台風の雨も
なんのその…でんがな

え?
来ぬか雨とちゃう?
・・・ ・・・
かんにんやぁ



こはん

湖畔と聞けば
小生
夢世界の逢瀬を連想しますな

その湖に隕石など落としますと
水も濁り 小生の心も濁り
小判などを想い浮かべますかな

濁り具合が違えば
お腹の虫が騒ぎそうですな
御飯 御飯、と

愚か者の小生のせいで
酷く濁りますとな
几帳面なお方の顔が
チラホラして来ますわい
縦にも横にも乱れぬ
碁盤のようなお方が・・・

嗚呼
言葉遊びに墓穴を掘りましたか、な