戯れお題





老いぼれ故
才は溢れど
詩才乏しく
偉才 英才彼岸に笑い
天才にいたりては
雲の遥かに知らぬ顔

嗚呼
才に溺れたきも
才に溺れる我が身かな



山人

嗚呼
我が憧れよ

浮生に漂う塵芥なる
我が身を
風よ
いつの日にか
運んでくれまいか



座礁

君の笑顔よ
君の甘き声よ
君の深き眼差しよ
君のその
立ち居振る舞いよ

嗚呼
我は座礁したる
小舟の如し




この夜に
そなた程の美人なし

この世に
そなた程の賢者なし

この代に
そなた程の聖者なし

嗚呼
我は襟を正し
そなたを楽しまん



沙翁(さおう)

嗚呼
嫉妬する
我は
浮生に漂う 塵芥

せめて
今宵の夢に
肩並べ 酒酌み交わし
大いに語らんや



三尺

戯れて
お上貶せば
そのやがて
三尺の台より
浮生を眺めん





戯れりゃ
三行半を頂戴し
三流我は
三和土で
三鞭酒に酔い痴れる
やがて渡るや
三途の川よ
エンマの前で
三味線三昧



山岳信仰

そのように高尚なモノなど
小生は持ち合わせて居りませんな
ただ戯れる為に
お山へ行っているだけですわい

小生の人生
これ全て
戯れの為に存在して居りますからな




最果て

はてさて
この丸い地球で
一体どこが
果てなんでしょうなぁ・・・

ン?
始まりが「はて」でしたか




懺悔(ざんげ)

神信じぬ身なれば
何に懺悔せん

我が手により殺したる
万物に懺悔せんかや




慚愧(ざんき)

永らえば
慚愧の念
我が両肩に積もり
息するも不自由なり

然るに
自ら逝くは許されず
故に 我
日々 戯れて候