戯れお題






戸は便利なものですなぁ
自由に出入りし
雨を防ぎ
風を防ぎ・・・
しかし
人の口は防げませんわ、なぁ




頭韻詩(あ行)

明日の 朝日に 逢えるなら
生き様 諌め 労わるに
浮世の 噂に うろたえて
栄華の 枝の 絵空事
思ひて 落とす 後れの秋や




頭韻詩(か行)

香りたつ 華麗な花の 愛(かな)しくて
嬉々とし 来たる 君の里
久遠に 苦し 狂おしや
化生 化身 汚さざれば
この美に 言祝ぐ 言葉も足りぬ




頭韻詩(さ行)

さてもさて 醒めぬ恋ぞや 去らぬ恋
四海の 至境に 鎮まれば
荒(すさ)ぶ 水天 澄み渡る
清爽あれば 聖乙女の  清宴開かん
そこな男(おのこ)よ そよぐ心は 楚囚と成らん
 



頭韻詩(た行)

漂うは 誰(た)が 為ぞ
千歳 契らん 枕頭の夢
辻に 摘まれて 潰えた恋よ 
涕泣 啼泣 天は知れるか  
盗心 討心 嗚呼 倒心・・・


:涕泣(ていきゅう)=涙を流して泣く
2:啼泣(ていきゅう)=声を出して泣く
3:盗心=ここでは、盗まれた心の意
4:討心=ここでは、討ち滅ぼされた心の意
5:倒心=ここでは、死んだ心の意 





頭韻詩(な行)

菜の花の 和みて咲けば 汝も笑顔
日日に 賑わう心 庭の先
主待てば 濡れる心や ぬかの星
寝る花よ 寝待の月と ねんごろに
野の闇を 飲み込む黄色 残る夢


ぬか星=無数の小さな星の意。菜の花の花々を星に見立てて居ます。




頭韻詩(は行)

春や春 花も見ないで 走る鹿
暇なれば 陽の温もりに 昼寝せん
膨らむは 筆とる君の 不倫花
返照が 変人染める 塀の影
惚れやすく ほとぼり醒めぬ ホタル恋


戯れ過ぎですかねぇ。




頭韻詩(ま行)

益荒男 まさかの 負け戦
味方の 三つ道具 身に受けて
無惨や 武者は 骸と成るや
冥土 目指せど 迷走し
元の 木阿弥 戻るやこの世




頭韻詩(ら行)

落筆に 乱倫問えば 雷鳴あり
倫理の道に 理由なくば 臨終となり
るつぼに 流人の 累々たるや
煉獄は 恋慕なくして 憐の一文字ぞ 
弄火せず 牢死せず 桜花愛でんや


難しい言葉が多く成りました。汗




頭韻詩 か

過疎に 乾びる 彼の村に
嘗ての 輝き 省みる
帰らぬものか 華燭の 語らい
嫁し行く 彼のひと 可憐な花よ
寡黙の我は 傍ら 叶わずば
かがり火の 陰 隠れて 愛(かな)しむや