戯れお題
む
む
武の虚しさに
矛を捨て
謀より離れん
務を忘れ
夢に溺れつ
霧に彷徨えば
無に至りて候
※
矛→槍(武器)
謀→はかる(人の世の常の意)
務→つとめ
戦いの味気なさに
武器を手放し
人の業から離れ
為すべきをせずに
理想郷を探して
あても無く歩いていたら
無我の境地に至った
と、詠んだつもりです。(つ・も・り、です。笑)
制約の中で、ですから
こじつけの感は否めません。
無限
戯れに
果ては見えねど
亦楽し
星に流れて
どこまで行こか
虫
虫たれに
虫けら恋うも
虫ず走ると嫌われて
虫籠に入れられ
虫 封じられ
虫 干され
虫 ピンに留められ
虫の息と成らば
虫送られて候
虫たれが
虫に刺されたと
虫の知らせに
虫 腹に治まりて候
※
虫たれ→平安時代の女性の笠に付けていた絹。
ここでは、その中の女性
幾ら戯れ詩でも
これは非道いですかねぇ。笑
無何有の郷
生けるもの
欲望を抱き
苦労に縛られ
皆 悩まんや
すべて捨て
我は行きたし
無何有の郷へ
※
無何有の郷(むかうのさと)→ユートピア
お題が「む」ですから…m(_ _)m
貪(むさぼ)る
餓えた狼
明けても暮れても
戯れ求め喰らわんや
貪るほどに喰らわんや
満腹中枢
既に
喰らい尽くした故に
飽くを知らずと
貪らん
槿(むくげ)
花の身で
作法に咲きて
作法に散るや
槿花
そなたの心
我も倣いたきぞ
※
散り際は桜ばかりではありません。
ムクゲの花に
武士道を見るのは私だけでしょうか。
むく
無垢な君に
向くは我が想いぞ
剥くは我が罪よ
むくつけき心よ
尨犬(むくいぬ)の侮蔑に
無口と成りし身は
無患子(ムクロジ)の下に
骸(むくろ)晒さんや
むし
無私と為り得るなら
無始無終の悟りで
無色界に遊ばんも
無資格の身は
武者と成り 殺めんか
無宿となりて
莚(むしろ)に晒さんか
霧鐘鳴らしたゆえに
毟られし心は
虫の息成るも
無神経の我は
戯れて候
※
一連目
生身の人間には到達出来ない世界でしょうね。
二連目
莚に晒す→莚に骸を晒すの意
三連目
霧鐘→己の場所を教える
夢幻
戯れど戯れど
我が戯れ果て無くも
夢幻の露よ
朝日に消えんや
娘
娘 心は秋の空とか
娘 一人に婿八人…(多重婚?)
娘 義太夫に節の妖
娘 盛りに老いぼれ眩しや
娘 住まうは箱の中とやら
娘 道成寺に恋の炎よ
娘 師と成りゃ覚悟の三尺台か
※
三尺台は諸説あるようですけど、私の古い記憶の中では
「三尺余り」が定着していますので「三尺台」を使用しています。
娘師は土蔵破りの事です。