戯れお題






目もあやに
君恋しければ

目は奪われ
心も奪われし

目の毒と
坊主は嘆くも

目の薬と
我は喜ぶや

目 やがて眩めば
只々 酔い痴れん

目の中に入れても
痛く無きほど愛でる故

目の覚むること
永久に能(あた)わずや






目を盗み 君の元へ通うも

目敏きは 井戸端スズメ

目板に覗く 野次馬増えりゃ

目に立つ我は 晒し者

目引き袖引き 苦心をし
 
目もあやの君に 今宵も通わんや


ん? もしかして、不倫ですかねぇ。






滅私に励めど
滅裂に出会い
滅亡の危機よ

滅却の中
滅罪唱えるも
滅失免れず

滅入る思いに
滅を悟らば
滅尽にて候




明滅

一喜に酔い
一憂に溺れ
悟り知らざる身が
今日も
戯れて居りますな




迷路

狼は
原野に住むべきでしたな

なまじ
人間界に紛れ込んだばかりに

複雑な迷路に
迷ってばかりですわい






時至らば
解き放たれて候


いつも解き放たれて居る者の
言う言葉では有りませんかねぇ。笑

でも
ここでは別の「解放」を想定しています。






面に惚れ
面色うかがい
面従す

面頬の君に
面食らえば
面壁三日に何悟る

面貌に酔いし愚に
面 赤く染めつつ
面妖に震え去るや


面頬(めんぽう)→鎧武者の顔にあてる面
           無表情の面       
面壁(めんぺき)→壁に向って座禅する意
面貌(めんぼう)→ここでは美人の意
面妖(めんよう)→怪しい・奇怪

詩情は
ご自由に読み取って下さい。





蓍(めどぎ)

戯る余り
迷子と成りて
何処彷徨う

棲家忘れりゃ
蓍(めどぎ)に尋ねん


蓍(めどぎ)→筮竹占いに使う細い棒と         
         山野に自生する豆科の多年草     
         蓍萩(めどはぎ)の両方にかけています





鍍金(メッキ)

粗末な中身
隠して塗るや金鍍金

悪しき心を
ごまかし塗るは銀鍍金

ダイヤモンドの
鍍金で口説く彼の君を

剥がれりゃ其処に
チラリと覗く地獄ぞや




針孔(めど)

アリもくぐれぬ
針孔に
我の心は
雄雄しく翔る


針孔→針の穴・針のみみ
小生の心など
この程度のモノで御座います。笑