小人閑居して悩まん


生きて在るも
歩む道知らず
ただ
日々を無聊に埋もれん

老いたるも
情熱の炎尚青く
道知らば
駆け行かんものを

嗚呼 我
歩む道知らず




無能

先達の教え
捏ねて
伸ばして
噛んで
掌に広げて眺めんも
我は我の道を歩むしかなく
傲慢の中に創りし正義を
慈しみつつ
生きて行くや




愚行

恋うる想いを尋ぬれば
詮無きものと
風の嘲笑い

諸行の移ろい尋ぬれば
無常に消えんと
雨の泣く

嗚呼
この束の間に
我は何を為さんと
悶え居るやら




相違

女は
宇宙を愛でて生きる
生き物

男は
宇宙を壊して生きる
生き物

これ程の違いの中で
どうして一緒に生きられると
言うのだ




老い

老いたれど
猛る心に動のあり

老いたれば
侘び寂びの中に静を知り

老いた今
辛酸の果てに楽を求めん




創作

白い紙に
私の想いたちが踊る

舞い譜も無く
曲譜も無い世界に

自己満足の
私の想いたちが
踊る




無題

俗世とあの世
扉一つに
仕切られて

火葬場の
この
扉一つに
仕切られて




行く末

我が頭
霜を頂くも
道の定まらず

嗚呼
雪に埋もれるや
風に彷徨うや






私が
この世に生まれ来た時
この手に
何を握り締めて居たのだろう

私が
この世を去る時
この手に
何を握り締めて逝くのだろう




愚鈍

万象に
我が存在を聴くも
皆 黙して語らず

自己の闇に
我が存在を問わば
罪の重力に
我は押し潰されん