これから上物釣りを始め様と思っている方・・又、まだ釣りを始めて方へ間もない方へ

磯釣には大きく分けて上物釣りと底物釣りがあります。
上物釣りはウキを使い魚を浮かせて釣る釣り方で底物釣りは仕掛けを海底まで落として釣る釣り方です。
ここでは上物釣り(グレ釣り)の基礎知識を語らせて頂いています。

1・釣りの心得
釣りは楽しいもの・・ついつい無理をしている方も多いのかと・・・
しかし海はいつも危険と隣り合わせです。
釣りに出かける前にその日の気象予報を確認しましょう。
それなりの装備も必要です・・滑らないように靴はスパイクかフェルトの磯用を履いて下さい。
そしてフローティング゙ベストは必ず着て頂きたいと思います。
腰紐が付いていますので股の間に通して装着して下さい。
グローブも必要です・・魚の背びれの棘や岩場のカキなどから手を守ってくれます。
ウェアーも大切なアイテムです。
陸よりも磯場は体感温度はかなり低いものです。
下には薄い服を二三枚重ね着して行くと良いでしょう・・・暑くなったら脱げるからです。
間違って海に落ちた場合は直ぐに岩場に戻るよりも冷静になって波裏に廻る事と、同伴者が居たらロープや玉の柄での救助を待ちましょう・・・沖に流されたら渡船に連絡して救助を待つのが得策です。
釣りウェアーを着てブーツを履いて泳げるものではございませんし、体力だけが奪われるのです。
出来たら釣りに出かける時には二人以上で出かけて下さい。
最後にお願いですが・・・ゴミは必ず持ち帰るようにお願いします。

2・グレ釣りに必要な道具
まずは竿ですが1.5号強度で530cmの長さの物がお勧めです。
ターゲットはエサ取りの名手グレですから、大きいハリスですと釣れる確立が下がってくるのです。
かと言って細いハリスですと切れる可能性も高くなり、そのバランスの駆け引きもグレ釣りの楽しみです。
1.5号の竿ですとハリスは2号位がベストマッチかと思います。
竿、ハリスとも最近では小刻みな号数の物が市販されていますが・・釣ってからの遣り取りを鑑みると・・
良型グレ釣りの竿としては1.5号の竿がお勧めです。

ハリスは初心者の方なら1.7号・2号・2.5号の3タイプもあれば良いかと思います。
2号をメインとして食い渋っているとき1.7号にする。
キブダイやサンノジがいる時または、沖磯に釣行して良型が出るときに2.5号にすると良いでしょう。

ウキは初めはB〜3Bの浮力の物が良いと思います。
沈め釣りの0や00といった浮力の無いものが主流となっていますが・・それなりの技術が必要ですし釣行を重ねる内にその様な物も必要に思えてくる時が使い頃となるでしょう。。

リールはスピニングリール。
最近はレバーとドラグが付いたものが主流となっています・・・レバーは手返しと取り込み時に慣れると非常に便利ですし・・不意の魚の突っ込みにも糸が出せる特性があります。
大きさは道糸を最低150メートル巻ける物を択びましょう
ダイワですと2500番で3号の糸を150m巻けますし、シマノですと3000番で3号の糸を150m巻けます。

道糸は2.5号か3号くらいがお勧めです。
道糸にも沈むもの浮くものと浮力があります。
浮くものは扱い易いのですが、風や上潮の流れには使いづらく・・重いものは風には強いのですが道糸操作が必要となります・・・二種類の道糸を巻いたスプール二つを準備して行くのも得策です。

針は沢山のメーカーが様々な種類の針を出しています。
重さが重要なポイントです・・・最近は針袋に記載している物が多いです。
食い渋るときにハリスを細くするリスクを負うよりもまず針を軽い物に変える事をお勧めしています。
大きさは6〜7号位が良いかと思います。
それ以下だと食い込みが良くてもすっぽ抜けの確立も高くなりうるからです。
7号程度の針を軽い物と重いものの二種類は持って行く事をお勧めします。
7号針(軽い=60mg台・・重い=80mg台)

※下記の図は仕掛け作りの手順の一例です。
竿1.5号の530cm、リールはレバードラッグのスピニングリール道糸はナイロン3号
1.道糸一ヒロ位にウキ止め糸を結びシモリ玉を入れてウキ(B〜3B)を入れる
2.次にクッションゴムを入れて小さいサルカンでハリスと道糸を繋ぐ。
3.針は状況に応じて6〜8号、ハリス2.5号を二ヒロその中頃にウキに合ったガン玉二つ打つ。


3・グレ釣り
マキエを撒いて魚を浮かせて釣るイメージを持って下さい。
マキエを撒いてグレが見えてくるならまず釣れる確立は高いです。
潮が動いている場合、潮上にマキエを撒き次に仕掛けを入れ又マキエを入れアタリを待つのです。
仕掛けは撒いたマキエの向こうに入れてマキエまで引き戻す事で早く仕掛けが馴染みマキエに仕掛けを同調する事が出来ます。
ここで重要なポイントとして・・
グレのタナにはサシエが先行して入る様に馴染ませる事が必要です。
サシエが魚から見て点であることが肝心なのです。
よれた仕掛けのハリス側からグレが食ってくる確立はかなり低いと思います。
仕掛けを入れてから馴染むまでに竿先で道糸操作をしてサシエを先行して馴染ませる事で釣果に差が出ます。
グレ釣りの上達は道糸操作にあるのです。
ウキ下は通常二ヒロ(3m位)から始めると良いでしょう・・・ウキ止糸は道糸の一ヒロ上で様子を見ます。
馴染むとウキから道糸が出て行きます。
エサが残ったりエサを齧られている場合はもっとタナを深く・・エサを完全に取られるか釣れて呑み込まれている場合はタナを浅くすると良いでしょう。(この操作は30cm位・・慣れてくれば20p程度の操作)
その日、その時の磯の状況によってタナは違ってきます。
一連の行動を手返しと言います・・・何度も手返しをして食って来るタナを見つけ出しアタリを取るのです。
「釣りは気の短い人が上手」・・そんな事をよく聞くと思いますが・・
一理あります、気長い人はエサを取られているのに仕掛けを入れたまま・・
気の短い人は、食うまであの手この手と仕掛けを変えポイントを変えているものです。
的確な手返しの繰り返しが必ず釣果に結びつくのです。

文章にしてしまいますと難しく思えるかも知れませんが・・
グレ釣りは上物釣りにして狙える最もポピュラーなゲーム性の高い釣りなのです。
グレは潮の良し悪しで活性が違ってきます。
水温であったり潮の動きであったり、その磯の潮の状態で食いに影響がでるものです。
活性の良い時は、簡単に釣れますが・・活性の悪い時は、アタリも無くサシエが取られる時もあります。
潮の良し悪しは、行って見なければ解りません・・・その運も腕のうちなのです。
釣り辛い時に釣った喜びがグレ釣りの醍醐味です。
仕掛けにしろ釣り技にしろ、釣師の拘りと感性で確立して行く奥深い釣りなのです。


3.上達への近道
近道といっても、こうする事ですぐに上達するなどはありませんが・・
初めは真似る事から始めて下さい。
仕掛けや釣り技など雑誌やネットでも釣りの情報は溢れています。
しかし釣師によって釣り方も考え方も違いますから、特定の方を真似るのが良いです。
それを実践してみて自分のモノとして行くのです。
磯釣は自然の中を釣るのですから似たような状況はあっても一つとして同じ状況はありません。
釣れて来る魚だってオンリーワンなのです。
様々な状況に磯に対応するには、ひとつひとつ実践して自分の拘りの中で引き出しの数を増やして行くしか無いのです・・仕掛けを作るにしても替えるにしても根拠をもって作くるように心がけてください。
例えば、潮がよれている、風が吹くで馴染み悪いからガン玉を打つ・・アタリが取り辛いからアタリウキを使う等々です。
魚を掛けた後の獲り込みにおいては経験の積み重ねによって確立を上げて行くものと思います。
殆どが竿の曲がりを保てずにノサレてのバラシになるのかと・・・
必要最小限に道糸を出して魚を止めて、魚に主導権を奪われない様にするのが獲り込み。
道糸を出しすぎると瀬ズレでのバラシの確立が高くなります。
「逃がした魚は大きい・・」笑い話にもなっていますが、大きいからバラシの確立も高くなるし小さいからといって、それなりの技術が無ければ獲れる魚も獲れないのです。

仕掛け作りも重要な要素です。
針の結び方でも幾通りもあります・・初めはチモトが傷になったりヨレたりします。
何度も練習をして素早く綺麗に結べる鍛錬をして下さい。
魚に直接アプローチする部分ですので大切です。
サルカン結びや直結結びも同じです。上手く結べないと結束箇所から切れ易くなります。
基本的な仕掛け作りを磯で普通に出来るように鍛錬して下さい。
釣行の前日から仕掛けを作って行く方も居ますが・・・
ハリスは結束したときから劣化が進みます。
現場で状況を見て仕掛けを作る事をお勧めします。
基本的な事を素早く完璧に出来だすことが上達の近道です。
大いに悩んで楽しい釣りを喜びにして行って下さい


3・初心者の為の釣り専門用語
手返し・・・・・・・仕掛けにエサを付けてポイントに入れる・・仕掛けを上げる一連の動作
馴染む・・・・・・・仕掛けを入れウキから下の針までの糸ヨレが取れた状態
サシエ・・・・・・・針に付けたエサ・・または付けるエサ
チモト・・・・・・・・針の結び目の上、呑み込まれて魚の歯に当たって切れる事をチモト切れと言う
アタリ・・・・・・・・サシエに魚が食いつき、ウキなどにその反応が出る事
スレ・・・・・・・・・・魚が口に掛からず口以外に掛かって上がって来る事
タナ・・・・・・・・・魚がサシエを食い込み、アタリが出る深さ・・又はエサを捕食している深さ
フカセ釣り・・・・上物釣りで軽い仕掛けでフワフワと仕掛けを馴染ませて釣る釣り方。
シモリ・・・・・・・海底にある岩・・・その根に魚が隠れている
サラシ・・・・・・・磯波によって白く上潮の払い出している場所・・その周りがポイントとなる場合が多い。
潮目・・・・・・・・大きな潮の流れと磯から返してゆく潮のぶつかる場所・・・マキエが集中している。
         海底の形状によっても出来る・・・釣れるポイントとなる。
込み潮・・・・・・満ち潮の事・・・魚の活性が高くなる時が・・・上げ潮とも言う
バラシ・・・・・・・魚を掛けて取り込み時にハエ根に擦られて切れたり針外れで取り逃がす事
アワセ・・・・・・・魚のアタリに合わせ竿を立てて針を掛ける事
地合い・・・・・・・魚の活性が高まる時を言う
乗っ込み・・・・・回遊する魚が産卵の為に浅場(磯の周辺)に上がってくる事