1.グレの生態について
この近辺で釣れるグレ(メジナ)は口太グレと尾長グレの二種類です。稀にウシグレ(オキナメジナ)も釣れてはきますが・・・岩礁域に生息し小型・良型はナブラとなって行動しています。
大型になるとナブラでなく単発で行動しているケースが多いようです。
グレは自分の目線よりも上から落ちてくるエサを捕食しています。
よってマキエを撒いて出来るだけ磯根から離して活性を高めて釣るのが上物釣りです。
特に大型は警戒心も強く、刺しエサには反応が低く、マキエも零れエサを捕食するケースが多いと思われます。

2.口太グレ
口太グレはグレの種類としては、ポピュラーな魚です。
寒グレとも呼ばれているように秋磯の後半から桜の芽吹く春、産卵時期までが釣り頃、食べ頃となります。
夏場も釣れなくは無いのですが、脂が乗って美味しいのは水温が下がって磯に海苔が付き、それを捕食しだす頃が臭みも無く旬となります。

マキエを撒き仕掛けを食い上がって来るタナに合わせて釣るのがポイントです。
サシエを齧られて来る時は食い渋っているか、タナが浅いかを考えてみるのが得策です。
また釣れたグレに針を飲まれている時はタナが深いか活性が高く仕掛けの馴染むのが遅いかです。
磯の状況によっては、ウキ下一ヒロ位から竿二本以上のタナで釣れて来ます。
よって口太グレは状況を見極め、その時のタナを合わせることで釣果に差が出ると言えます。
水温が低下すると食い上がる事が少なくなり、居食いという現象が起きてきます。
落ちてくるエサを活発に反応しなくなり、横の動きで捕食する行動を取るようになるのです。
アタリも微妙になり糸ふけが多いと何のアタリも無くエサを取られます。
よく言われる寒グレの時期に起きる現象です。
グレは本来、エサ取りの名手です。
活性が悪くなると一度銜えたエサでも違和感を察知して直ぐに吐き出してしまいます。
沖あみの頭だけが齧られて来るのはその様な現象と思われます。
グレがエサを取るタナを見極め、そのタナへマキエと仕掛けを同調させて入れてゆく事でグレを釣る確立を高めて行けます。

3.尾長グレ
尾長グレは口太グレよりも尻尾が大きく当然泳ぎが速いので引きが強い魚です。
主に沖磯の潮通しの良い磯で釣れます。
回遊性の高いグレで小さい頃は堤防のテトラや岩場に生息し、良型になる前に黒潮に近い沖磯へと回遊して行きます。
産卵は口太グレより一ヶ月以上遅く初夏の頃・・水温が21度前後になる秋磯の頃、釣れ出します。
冬場でも水温が高く安定していると活性も高くなり釣れて来ます。
4〜6月頃が一番、活性も高く乱舞して釣れる時期です・・
冬場に釣れる口太グレが寒グレと呼ばれているのに対し、初夏に釣れる尾長グレは梅雨グレと言われています。
沖磯の一級磯に居付きの擦れた尾長の話は置いときまして・・
マキエを入れると潮目に沿って出てきます。
潮目は流れに壁が出来、縦方向に流れたりもしてマキエが集中して流れて行くからです。
口太の様にタナを探るのではなく、活性の良い時は水面まで出てきますので、潮の動きを読んで潮を釣るのがポイントです。。
潮は横に動くだけではなく速さによって上下左右に動いています。
湧き出してくる潮の周りに入ってゆく潮の動きにマキエと仕掛けを合わせて釣ります。
マキエの動きを見ることで潮の動きを推測できます。
タナは考えずマキエに同調させる仕掛けの馴染ませ方が重要です。
歯も鋭いので飲み込まれたらチモト切れの可能性が大です・・
よって活性の良いときは早アワセが必要です。
又、泳ぎも速く強いので深場で食わせると根ズレ切れする可能性も高くなりますので、マキエで誘い浮かせて釣る事が攻略のポイントとなります。