てやんでぇい!煮るなり焼くなりどうとでもしやがれってんだ!編
さて。当日です。運命の日です。
行きの列車の中、なんとなく裸眼で過ごしました。
眼鏡がないと、全ての輪郭がぼやけて見えます。文字も、車窓の風景も、ぼんやりした霧の中。
だけど20cm以内なら、どんなに近くても明瞭にピントが合います。
そんな長年馴れ親しんだ世界も、そんな今日で最後。
こたつMkUは、改造人間への多難な道を選びました。
ああ、みなさま、どうぞ改造ネズミに花束を贈ってやって下さい。
帰りの列車では、きっと世界が違っている事でしょう。
後悔するしないは、ともかくとして。
高知駅から、とことこ歩いて15分。田内眼科に到着です。
…え?足が震えてるって?
…ははは。武者震いですよ、むっ、むしゃぶぶるい。
なにはともあれ、受付で手術費用315000円の支払いを済ませます。
あー、31万かぁ…。。弾が10000発くらい買えるなぁ…。
田内眼科の規定では、手術費用は基本的に手術当日の2日前、つまり水曜日までに
指定の銀行口座へ振込まなくてはなりません。
ただ、こたつMkUの場合、猶予が一週間しかなく、尚且つ銀行に行けるのが
木曜日の午後だったため、止むを得ず現金で持参することにしました。
さぁ、お金を払ったら、資本主義の大原則、特別待遇の始まりです。
『では、王様、こちらへ』
いつもより短めのスカートを着用したスタッフに笑顔で手を取られ、
一般庶民は決して立ち入れない、2階ロビーへと昇って行きます。
流れるBGMは、懐かしのシバの女王です。
(一部妄想が入っております)
一階の喧騒が嘘のような、静かな時の流れの待合室で、
術後の投薬と注意点についての説明を受けました。
抗生剤、抗炎症剤の目薬、そして一回使いきりの目薬の、合計3種類が処方されます。
抗生剤、抗炎症剤は、一日4回、忘れずに点眼しなければなりません。
忘れるとどうなるかは、あえて訊きませんでした。
そして、術後使用する保護眼鏡を選びます。
見たところ、花粉症用のポリカーボネイト製のメガネのようです。
お世辞にもスタイリッシュとは言い難いですが、術後の眼球保護には欠かせません。
一応、UVカットも入っているそうです。
くれるのかな〜と思ったら、一週間の貸与だそうです。
ちなみにこの保護メガネ、就寝時にも着用とのことですが、
多分こんなもの付けては誰も眠れないと思います。
心の準備もそこそこに、手術室の近傍にある休息室へ移動です。
休息室の扉の向こうには、オットマンチェアーが三脚並んでいました。
その内一脚には、中年の女性が術衣のまま横になってます。
手にはガーゼを持ち、しっかり目を閉じ、そして横には旦那さんが付き添ってます。
今現在、手術室は使用中ですので、この中年女性こそが、
本日最初にLASIKを受けられた方に間違いありません。
『先輩と呼ばせて下さい!』
勇気ある先駆者に心の中で礼をしながら、一番端っこの椅子に座ります。
この時点で、スタッフの方から点眼麻酔を滴下されました。
両眼に、それぞれほんの1滴2滴づつです。
良いんでしょうか、この程度の麻酔で。本当に痛くないのでしょうか。
こたつMkUは、痛いのダメなんです。イタイの嫌いです。
心情的には全麻とか、せめてセルシンの2アンでも静注して欲しいところです。
(:注:全身麻酔も安定剤静注も論外です)
そうこうしてるうちに、
二人目の先駆者が、看護婦さんに付き添われ帰還しました。
まともに眼が開けられない様子です。無理もありません。
あー。思ってたより大変そうだなー。ちょっと落ち着いたら、術中の感想でも…。
なんて考えてる間も無く、本日最後のパイオニアの名前が、あっさり呼ばれてしまいました。
さぁ。旅立ちの時です。流れる曲は、なぜかランボー1のエンディングテーマです。