微生物と土

よく土は腸内に例えられて云われます、ご存知のように腸の中には様々な細菌が住んでいます。{善玉菌 悪玉菌}と云われていますが、これは勿論人間にとって都合が悪いか良いかの基準で勝手に人間がそう呼んでいるだけの話なのですが。土の中にも色々な生物が住んでいます、是もまた人間が栽培する作物にとって有用か否かによって、病害菌とか有用菌とか呼ばれています。一般にフザリウムは病害菌、乳酸菌 放線菌などは有用菌とされています。      
本来自然界は不必要なものは何一つ作らなかったのではないでしょうか? 

 例えば野山の雑草、樹木など見てみると余程の事が無い限り枯れたりしません、しかし人間がひとたび栽培品種として、雑草などを畑などに、うえて栽培し始めると途端に連作障害、いや地現象が起きてきます。さすれば野山の土と畑の土はどこが違うのでしょうか
一つ決定的に違うのは微生物相の単相化にあると思います、特定の植物をくりかえし繰り返し数年に渡り栽培してゆきますとその栽培種特有の根圏(根のまわり)微生物相が形成されます、よってある種のフザリウムとかピシュウム菌の侵入に対して非常に拮抗力〔抵抗力〕が弱くなりますそれで所謂病害菌と言われる細菌や菌〔キノコの種類〕が爆発的に増えて根圏にダメージを与え、栽培作物の生長に著しい障害をきたしたり枯死さしめるこれを連作障害とよんでいます。ではなぜ 野山の草や木々は毎年旺盛に繁茂するのでしょうか?その原因の一つに、考えられるのは種の多様性にあるのではないでしょうかご存知のように山野の雑草は文字どうりいろんな草が混交して生えています。よってその土の中の微生物相は実に多様性に富んでいます、このことは多くの示唆を私たちに指し示しているように思います。人間の腸内や土の中のことの他にも海の中の事や山々の木々の植生と川や海のせいぶつとのつながり、しいて言えば人間社会のありようにまで想像が及んできます。

上記の問題を解決する意味で人間は古来より、色々な工夫をこらしてきました、例えば客土や堆肥の田畑への搬入などです、これらはみな微生物相の多様化を主たる目的としたものでしょう、勿論昔は顕微鏡などありませんので、長い時間をかけ経験上学んだのでしょうけれど、今現在の農業は化学肥料万能に傾いて古来よりの知恵が生かされていないといえるでしょう、今現在の連作障害対策といえば、土壌消毒と言って化学薬品〔元は化学兵器〕を土壌に注入して、微生物の全滅を計るとゆう極めて荒っぽいやり方とっています。しかしこの方法には落とし穴があります、所謂悪玉菌も殺しますが、善玉菌も全滅さすといゆうことです、このことは土の中を無菌状態にするといゆことですから、もし悪玉菌なるものが少しでも侵入すれば爆発的に微生物相が単相化する危険性をはらんでいます、また土の中の化学変化フミン酸などと塩素系薬物の反応によって有害物質が生成されるかもしれません、それが植物に吸収されて野菜などに蓄積され食べた人の健康に被害を与えるかもしれません、それらのことはまだ全然わかっていないのが実情です
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