開催趣旨
 海、山、川に恵まれた幡多にはツーリズムのための資源が、各地域に存在しています。ただ、その資源を有効に生かすために必要なことは、地元の人が、自分の暮らしている地域のことを誇りに思っているかどうかではないでしょうか。地元の人なら誰でも、訪れた人に地域の良さを自信をもって伝えることができる、これこそがツーリズムの成功要因の一つともいえます。

 では、どうすれば誇りや自信をもってもらえるか? 幡多地域でも、各自治体をはじめ、さまざまな団体が試行錯誤を繰り返しています。幡多全体を見まわしたとき、ツーリズムの芽があちこちで萌芽し、育っていこうとしているのが見てとれます。そんな幡多の現状をもっとより良いものにしていくために、ツーリズムをテーマにしたシンポジウムを開催します。

パネラーとして、日本のツーリズム創成期から活躍し、日本のツーリズムを牽引してきたともいえる方たちをお招きし、幡多のツーリズムの可能性を語って頂くとともに、伸びていこうとする各地域のツーリズムに活力を与えてもらいます。


プログラム
第一部(13:0015:00
 ゲストパネラーそれぞれに、活動内容や取組内容を語っていただき、シンポの参加者にゲストの人となりや背景を知ってもらいます。そのうえで、参加者からゲストへの質問事項を募集し、第二部に反映させます。


第二部(15:0017:00
 テーマ『幡多のツーリズムの可能性を探る』にそって、問題提起や解決方法などを討論してもらいます。また、参加者からの質問事項にも答えてもらい、会場からの意見なども交えて討論を進めるなどして、会場全体が一体感を持てるシンポジウムを目指します。


エコ幡多とは
 2008年に、幡多の各地域で各種のツーリズムや地域活性化などで活動している団体や個人で結成したネットワーク。おもな構成団体は、黒潮実感センター、砂浜美術館、四万十楽舎、海癒、宿毛元気クラブなど。これまでに『幡多半島エコツアー』、『街道サイクルツアー』などを開催し、幡多地域のツーリズムを意欲的に実践中。

講師略歴

江本 嘉伸(えもと よしのぶ)
 横浜市生まれ。地平線会議代表世話人 ジャーナリスト。元読売新聞編集委員 東京外国語大学山岳会会員、日本山岳会会員。南北両側からのエベレスト(チョモランマ)登山取材、北極、中央アジア、チベット横断、黄河源流探検、モンゴル遊牧草原取材、チンギス・ハーンの陵墓を探る「日本モンゴル合同ゴルバンゴル学術調査」などの取材・調査にあたる。著書に「西蔵漂泊−チベットに魅せられた十人の日本人(上下巻)」(山と渓谷社)、「能海寛(のうみ・ゆたか)、チベットに消えた旅人」(求龍堂)、などがある。
 1979年、旅や冒険好きの行動者たちのネットワーク「地平線会議」を友人たちと発起し、代表世話人をつとめる。




小林 天心(こばやし てんしん)
 長野県生まれ。株式会社観光進化研究所代表、亜細亜大学経営学部教授、北海道大学大学院講師。東京都小笠原観光プロデューサー。2006年から、日本アセアンセンターASEAN諸国観光開発支援プロジェクトアドバイザー。国際協力事業団(JICA)観光振興とマーケティングセミナー講師。前ニュージーランド観光局日本支局長。元日本エコツーリズム協会事務局長。
 1968年〜1998年プレイガイドツアー勤務、カナダ、オセアニアから極地まで、海外旅行の企画とマーケティングに従事。同志社大学卒業。近著に『ツーリズムの新しい諸相』がある。



広瀬 敏通(ひろせ としみち)

 東京生まれ。20代に長期にわたってアジア各地で個人NGOとして活躍。帰国後の1982年に国内最初の自然学校となるホールアース自然学校を創設した。富士山、沖縄、新潟,岡山、神戸など国内各地の拠点校で常勤職員45名、年間8万人の参加者を擁する。
 国内海外の多くの地で自然学校の仕組み作りに関わり、自然学校運動の第一人者。人材育成や地域つくりの領域でも尽力。とくにエコツリズム分野の先駆的実践者、専門家として全国各地域を支援し、日本型エコツーリズムの生みの親として知られる。環境教育分野で初の2010年度SEOY ファイナリストに選ばれる。 
 SEOYとは・・・SEOY (Social Entrepreneur of the Year) 日本プログラム。


神田 優(かんだ まさる)

 1966年高知市生まれ。高知大学農学部栽培漁業学科卒業後、東京大学海洋研究所で大学院博士課程修了。農学博士。専門は魚類生態学。現在、高知大学大学院黒潮圏海洋科学研究科客員准教授・神戸大学非常勤講師。
 学生時代は釣りと高知県大月町柏島および沖縄県座間味島でのダイビングガイドで生計を立てつつ学問に励む。潜水時間6000時間以上。四国の西南端、柏島に“島が丸ごと博物館”という構想の元、海のフィールド・ミュージアムを作ろうと98年に単身柏島に乗り込み、2002NPO法人黒潮実感センターを立ち上げる。島の自然と人の暮らしが両立する、持続可能な「里海」づくりに挑戦している。2010年度第6回エコツーリズム大賞を受賞。

海、山、川とそろった『幡多』には         ツーリズムがよく似合う

平成22年12月18日(土)
宿毛文教センター

幡多ツーリズム会議