無題


人ゆえ散らす
  言の葉よ
去り行くひとの
  その背中
手を伸ばさんも
  触れられず
悔やみの風を
  掴むのみ


人ゆえ犯す
  罪罪の
愚かと月の
  囁けば
我が身責めんや
  虫たちも
行く風さえも
  嘲笑い


人ゆえ悩む
  恋の淵
身投げせんとて
  許されず
浮世の波に
  流されて
只ただもがく
  身の哀れ





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